くろさきこどもクリニック

診療に関するお知らせ

百日咳の流行について

2025/04/07(月)
テレビで百日咳の増加が報道されていますが、稲毛地区でも発生しています。

【症状・潜伏期間】
百日咳の潜伏期間は約7日〜10日で、発症すると初期は軽い風邪のような症状ですが、次第に『咳の症状は重くなり短い咳が連続的に起き、咳が終わるとヒューと音を立てて大きく息を吸い込み、痰が出ておさまる』といった症状を繰り返すのが百日咳の典型例の特徴です。
乳児では、無呼吸発作、急性脳症など重篤になる場合があります。
ワクチン接種をした方、大人が百日咳を発症しても症状は比較的軽く、普通の風邪とあまりかわらないため風邪と見分けるのは困難ですが、せき込む(特に夜間複数回)、咳が長引く傾向にあります。

【昨今の流行状況】
今年発症している年代別患者数は0~4歳区分の患者は少なく、ワクチンが通常1歳程度までに接種されることから、現行の百日咳ワクチンは有効に作用していると考えられています。患者の年齢層のピークは新型コロナ流行前が9歳であったのに対し、新型コロナ流行後は12~13歳に上昇しています。
ワクチンは4~12年で効果が減少するとされており、この年代では乳幼児期のワクチン免疫が低下していると考えられています。

【予防するには?】
日本小児科学会は、百日咳の予防を目的に百日咳抗体価が10歳未満で低下することから、3種混合・4種混合・5種混合ワクチンで4回接種を終えた場合の就学前の追加接種としてMRワクチンと同時接種で3種混合ワクチンを接種(自費)することを推奨しています。 また、11~12歳児では2種混合の代わりに3種混合ワクチンを接種(自費)してもよいとしています。特に、家族内に新生児、ワクチン接種の終了していない乳児がいる場合には、「家族全員で守る」ことが大切ですので、早急にご検討ください。

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